マッサージのポイント

▼不規則な生活/ストレス
食事や睡眠などの不規則な生活が続いたり、精神的なストレスを感じる状況が長引いた
りすると、私たちは体調を壊しやすくなります。これは自律神経のバランスが崩れるから。
自律神経は、消化器・血管系・内分泌腺などの機能をつかさどっているので、その影響は
体調に如実にあらわれます。
不規則な生活も心の悩みも、体にとっては大きなストレスです。自律神経が心身のスト
レスに対処しようとした結果、血管が収縮して血流が悪くなったり、筋肉が緊張してリン
パ管への刺激が減ったりします。
しかし、これとは反対の流れで、マッサージによってリンパの流れや血行を改善し、体
の緊張を解いて心の安定を取り戻すことも可能です。
マッサージのポイント
▼手を動かす方向
リンパの流れをうながすマッサージですから、動かす方向が重要です。心臓に向かって
流れていくのを助けるわけですから、足のつま先、手の指先といった末端から、じよじよ
に体の内側へと動かしていきます。マッサージのときに限らず、お風呂で体を洗うときも、
心臓から遠い部分からやるようにすれば、リンパの流れにそった動きになります。
ひとつだけ注意したいのが、どの部位のマッサージをおこなうにしても、まず最初に左
側の鎖骨のくぼみにあるリンパ節の刺激からはじめることです。左側の鎖骨のリンパ節は
腎臓への出口となる場所なので、ここが滞っていては、ほかの部分をどんなにマッサージ
しても効果が半減してしまいます。「はじめに左の鎖骨」あとは鼠径部やワキの下などの
リンパ節を思い出して「末端から中心へ」と進めば大丈夫です。
▼力の強さ
マッサージというと、痛いくらいのほうが効き目があると感じる人もいますが、「リン
パを流す」という目的から考えれば、痛みなど感じない弱い「圧」で十分です。というの
も、リンパ管は皮膚の表面にきわめて近い真皮や皮下組織の層に分布しています。だから、
おだやかにさするだけでも刺激は伝わるのです。「シャワーの水圧」くらいの強さがちょ
うどよいと、よくいわれています。
ただし、一口にリンパマッサージといってもいろいろな方式があり、「シャワーの水圧」
よりも強い力で施術するお店もたくさんあります。たとえば、脂肪の塊であるセルライト
を除去するマッサージなどには、痛みを感じるものが多いと聞きます。
本書では、皮閥が薄い顔のマッサージは「できるだけやさしく」、脂肪をほぐしたい二
の腕やお腹などのマッサージでは「少し強めに」といった紹介の仕方をしています。目安
としては、マッサージをやって「気持ちいいかどうか」です。心地よく感じられる程度を
基準と考えています。
▼タイミング
リンパマッサージにもっとも適しているのが、お風呂上がりです。入浴後は血行がよく、
精神もリラックスしているので、マッサージの効果も上がります。
また、衣類を身につける前におこなえば、さらに効果的。服や下着は、少なからず体を
締め付けます。締め付けられると、リンパの流れも悪くなります。マッサージサロンなど
に行くと、施術着に着替える際に「下着をはずして着替えてください」といわれることが
多いと思います。せっかくマッサージをしても、体が締め付けられた部分でリンパの流れ
が悪くなってしまうからです。
マッサージの効果をより上げたいという人は、お風呂上がりの裸の状態でおこなってみ
てください。ただし、湯冷めには注意しましょう。
また、食事をしてすぐや、体調が悪いとき、お酒を飲んだあとなどは、マッサージする
のを避けてください。
▼用意するもの
自分の手でおこなうので、特別な道具は必用ありません。ただ、ストレスのないリラッ
クスできる環境でやるのがベストなので、やわらかいマットを敷くとか、タオルをかけた
上から施術するとか、お気に入りのマッサージクリームやオイルを使うとか、それぞれの
好みやこだわりで用意するものはあるかもしれません。
とくに顔のマッサージをするときは、できるだけ摩擦を避けるために、化粧水や乳液、
クリームなどをつけた、すべりのよい状態でおこなったほうがいいでしょう。
また、マッサージの前にコップ-杯程度の水を飲むとよいといわれます。リンパ液の濃
度が薄まって流れが少しよくなるので、マッサージ効果が高まると考えられています。
※本書は、健康に大きな問題がない方がおこなうことを前提にマッサージの方法を紹介していま
す。身体に痛みがある方、病気などで運動を控えている方は、医師に相談の上、充分注意して
おこなってください。また、妊娠3カ月未満の方、生理中の方、低血圧の方、皮膚にひどい炎
症のある方などは、マッサージをおこなうのを避けてください。